膀胱がんの再発予防のための治療、術後補助療法による副作用、術後の食事ケアや運動、再発や転移などについて解説します。
膀胱がんの術後はその経過に応じて補助療法を行うかどうかを決めます。補助療法が不要の場合は約1週間の入院治療となります。
表在性膀胱がんの術後補助療法としては、結核予防ワクチンであるBCGや抗がん剤の膀胱内注入療法があります。
また、浸潤性膀胱がんの術後補助療法としては、抗がん剤による化学療法や放射線治療、尿路変更術を行うことがあります。
BCGや抗がん剤の膀胱内注入療法では、以下のような副作用が起こる可能性があります。
また、抗がん剤による化学療法や放射線治療には以下のような副作用があります。
膀胱がんはその症状や治療によって日常生活の注意点が変わってきます。
経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)を行った後は、治療後1週間程度で元の生活を送ることが出来ます。
一方、膀胱全摘除術を行った場合、術後は軽い運動から始め、以前の日常生活に戻れるような体力づくりをしましょう。
ストーマを造設した場合は、尿の出が悪いなどトラブルが生じたときに速やかに病院に連絡をするよう気を付けます。
また、ストーマの状態にも気を配り、周りがくぼむ・突出するなどしていないか、尿漏れや肌荒れがないかを観察しておくことも大切です。
体力を維持するためにも、栄養バランスの良い食事をとることは大切です。ただ、抗がん剤の治療によって吐き気や食欲低下の症状を訴える方もいるため、主治医や栄養士のアドバイスを受けながら少量でも食べられるように配慮しましょう。
化学療法で吐き気や食欲不振といった症状に悩まされる方は、少なくありません。そんなときは、次の点に気を付けると良いでしょう。
良質のたんぱく質を積極的に取り入れ、酸味や香辛料など食欲が増えるような食べ物を選ぶのも良いでしょう。
食欲が低下しているときは無理して食べるのではなく、少しで良いので食べたいものを食べたいときに食べること、そして水分をしっかり摂ることを意識しましょう。
適度に運動して体力に応じた運動を行うことが大切です。
膀胱全摘除術を行った後は、腹筋を使う激しい運動は控え、ウォーキングや軽いストレッチから始めます。2~3か月かけて体力が戻ってきたら術前の日常生活が送れるようにしましょう。
ストーマを付けている場合は、格闘技といった激しい運動はできませんが、ゴルフやテニスは可能です。
経尿道的膀胱腫瘍切除術の場合、手術後は翌日から歩行可能となります。膀胱全摘除術を行った場合も、手術後翌日から状態に応じて歩行が可能となります。
ただ、術後の補助療法によっては疲労感や発熱などの症状が出て、体が思うように動かせないこともあるでしょう。その場合は、無理に運動する必要はありません。
体が思うように動かない時は、医師に相談しましょう。
冬虫夏草とは、昆虫の体内に寄生し体内の養分を吸収することで、子実体(キノコ)を成長させるバッカク菌類のキノコです。チベットやネパールなどの高山帯に生息するオオコウモリガの幼虫に寄生しているものは、希少価値が高いことで知られています。
古くから生薬として重用されてきた歴史があり、近年では、中国の陸上選手の栄養管理に取り入れられたことで、世界的に注目されました。これまでも研究により、免疫機能改善作用や、抗がん作用が期待できる有用成分が発見されています。
天然物の冬虫夏草は大変希少です。現在商品化されているものは、多くが人工培養によるものですが、品質や有用成分に差異はありません。人工培養の技術が誕生したにも関わらず、まだまだ希少価値が高い冬虫夏草は、偽物や粗悪品の流通が問題となっています。そのため、購入する際には、安全性や品質管理がしっかりしている信頼できる製造元を選ぶことが大切です。
膀胱がんは手術や術後補助療法によって根治すれば良いのですが、残念ながら再発してしまう可能性もゼロではありません。ここでは、膀胱がんの再発や転移についてご紹介します。
・表在性膀胱がん
膀胱内再発率は高く、1-2年以内に60~70%の方が再発します。また、この中で10~20%の患者は再発を繰り返す中でより低分化し、浸潤性のがんに進展する可能性があります。
膀胱がんの「再発には、膀胱内に再発する局所再発と、離れた臓器に転移・再発する遠隔転移再発があります。
膀胱がんで転移しやすい部位は、以下の場所です。
筋層非浸潤性膀胱がんの再発はほとんど膀胱内での再発です。上部尿路、尿道などにがんが再発することもあります。
再発後の膀胱がんの治療は、初回治療の内容によって異なります。
初回治療が鉱山剤膀胱内注入療法の場合は、初回治療と同様の治療を行います。診断の結果によってはBCGの膀胱内注入療法や膀胱全摘除術を行うこともあります。
初回治療がBCG膀胱内注入療法だった場合、膀胱がんの種類によって治療が変わってきます。
BCG膀胱内注入療法で効果が得られない場合は、膀胱全摘除を考えることになります。
こちらも、初回治療の内容によって再発時の治療方法が変わってきます。
初回治療が膀胱全摘除術だった場合は、化学療法を行いますが、状況に応じて手術でがんを取り除きますが、患者の状態によっては手術や放射線治療、薬物療法を積極的に行わず痛みの緩和やQOL(生活の質)を維持・向上させることを目指します。
初回治療が膀胱温存療法だった場合、膀胱内再発であれば初回治療と同じ治療、または膀胱全摘除術を行います。遠隔転移再発であれば、化学療法や放射線療法を行います。
膀胱がんが再発した後は、医師の指示に応じて通院・治療を受けます。
術後補助療法として膀胱内注入療法を行いますが、再発を予防・早期で発見するためには、検尿・尿細胞診・膀胱鏡検査など定期的に検査・観察することが大切です。
自分でも何か変化を感じることがあれば、速やかに医師に相談するようにしましょう。
がん | 再発率 |
---|---|
0a・Ⅰ期 | 90% |
0is期 | 83% |
Ⅰ期: | 87% |
Ⅱ期: | 77% |
Ⅲ期: | 50% |
Ⅳ期: | 28% |