このページでは眼腫瘍の再発予防のため治療、術後の日常生活の工夫、再発や転移、生存率などについて詳しく解説していきます。
眼腫瘍にはさまざまな種類があり、どの部位に発生したがんであるかによって治療方法が異なります。例えば、網膜芽神経腫では腫瘍が眼球内にとどまっている場合には転移の危険性が低いとされているものの、眼球摘出を行った場合には転移や再発の可能性が考えられることから、予防的な化学療法が必要となります。この場合には、病理組織学的診断に基づいた治療方法が検討され、進展度によって全身科学療法や放射線での治療が行われます。
眼内悪性リンパ腫なら、脳病変の発生を予防するために抗がん剤の投与などを行う場合があり、脳病変が認められた場合には放射線治療を併用するケースもあります。
術後の補助療法に放射線治療を用いた場合、急性から慢性の副作用として、眼瞼結膜炎、皮膚の発赤、脱色素、毛細血管の拡張、萎縮、脱毛などがあるとされています。また、照射を行った後には涙液の現象や角膜幹細胞の機能不全によるドライアイが見られることもあります。
眼腫瘍に限らず、体力を維持するためにはバランスの良い食事をゆっくりと摂る、というのが重要なポイントです。エネルギーやたんぱく質、ビタミン、ミネラルが不足しないような食事が理想的ですが、医師から食事の指示がある時以外は無理して食べようとせずに、体の調子に合わせて食べられるものを選ぶと良いでしょう。
また、食事が楽しめるように工夫をするのも一つの手です。外食をして見たり、色合いを工夫したりすることで、より楽しみながら食事を摂れるようになるのではないでしょうか。
治療中や治療後は、食べたいのに食べられなかったり食欲が出なかったりするでしょう。そのような場合には、栄養や量、時間にこだわらず、食べたいときや食べられそうだと感じたときに、自分が食べたいと感じられるものを口にすることがおすすめです。そういった時にすぐ食べられるよう、好きな食べ物を用意しておくのが良さそうです。
また、消化の良いものを少量ずつ、回数を分けて食べるのも良いでしょう。
眼腫瘍に限らず、がんの治療を受けている方や治療を行った方は運動を行うことにより筋力や体力の予防低下に繋げられると考えられています。例えばウォーキングや自転車エルゴメーターなど、20〜30分の有酸素運動を週3回から5日程度無理のない範囲で行うことが理想とされています。ただし、運動を行う場合には医師の指示を仰ぐようにしましょう。
治療中、または治療後の方が運動を行う場合、無理に運動しようとせず、できる範囲から行うことが大切です。たとえば軽いウォーキングやストレッチ、座ったままできる筋力トレーニングなど、自分の体力と相談しながら行うようにすると良いでしょう。
冬虫夏草とは、昆虫の体内に寄生し体内の養分を吸収することで、子実体(キノコ)を成長させるバッカク菌類のキノコです。チベットやネパールなどの高山帯に生息するオオコウモリガの幼虫に寄生しているものは、希少価値が高いことで知られています。
古くから生薬として重用されてきた歴史があり、近年では、中国の陸上選手の栄養管理に取り入れられたことで、世界的に注目されました。これまでも研究により、免疫機能改善作用や、抗がん作用が期待できる有用成分が発見されています。
天然物の冬虫夏草は大変希少です。現在商品化されているものは、多くが人工培養によるものですが、品質や有用成分に差異はありません。人工培養の技術が誕生したにも関わらず、まだまだ希少価値が高い冬虫夏草は、偽物や粗悪品の流通が問題となっています。そのため、購入する際には、安全性や品質管理がしっかりしている信頼できる製造元を選ぶことが大切です。
眼腫瘍はさまざまな種類があることから、もし再発した後の治療などについてもそれぞれの状況に適したものが選択されることになります。
眼腫瘍の再発率に関する具体的なデータは見つかりませんでした。
眼腫瘍における再発・転移しやすい部位に関する記述は見つかりませんでした。
眼腫瘍は、どの部位に発生するかによって治療法が異なります。もし再発が見つかった後の治療に関してもどこの部位に発生したがんかによって対応が異なってきます。例えば、網膜芽細胞腫において初期の治療として眼球温存治療が行われ、その後遺伝性症例として新たに眼球内腫瘍が認められた場合には、再発ではなく新生腫瘍として局所療法で治療されるケースも多く見られます。再発した腫瘍が眼球内に限られている場合の生命予後は良好とされており、局所化学療法を含めた局所療法が行われますが、腫瘍が大きい場合は局所療法を併用した温存治療が行われます。ただし、これらの治療において効果が期待できない場合には放射線治療や眼球の摘出が検討されることになります。眼球外に再発した腫瘍が認められた場合には、初発時に眼球外進展が見られた場合と同じような治療方法が取られます。
また、眼球を摘出した後の再発など、再発した腫瘍が眼窩内に限定されている場合には遠隔転移の可能性も考え、全身化学療法と放射線治療を併用した治療が行われます。再発した腫瘍が眼窩を超えて認められた場合には、全身の化学療法と自家造血細胞移植を併用した大量化学療法と放射線治療を行うことによって生命予後は向上しているとされているものの、中枢神経への浸潤あるいは転移が認められる場合には、予後が不良とされています。
そのほかの目のがんについてですが、脈絡膜悪性黒色腫(ぶどう膜悪性黒色腫)において転移が認められた場合には、抗がん剤の点滴や冠動脈動注による治療を行いますが、切除できない転移症例の場合には、免疫チェックポイント阻害薬を使用するケースも見られます。
眼瞼がんの場合、脂腺がんや扁平上皮がんで再発や転移が見られる場合には、抗がん剤内服治療を併用することがあり、結膜悪性黒色腫における切除できない転移症例においては、免疫チェックポイント阻害薬を用いた治療を行っていくことがあります。
がんが再発した後には、主治医や家族とともに改めて自分に合った治療を行っていくことになります。治療方法にはさまざまな種類があり、がんの状態や体の状態、患者自身の要望などに合わせて単独あるいは複数の治療法を組み合わせることになります。
もし治療や日々の生活において不安などを感じた場合には、医師やスタッフに伝えてアドバイスを受けましょう。不安を抱えたまま治療を続けることがないように、無理をせずに都度確認していくことも必要です。
主眼にできるがんは発生頻度が低いことから、生存率に関するデータも多くありません。眼のがんの場合は眼瞼や結膜、眼球内、眼窩内といったように、発生する場所がさまざまですが、どこにがんが発生するかによっても予後や治療方法が変わってきます。
例えば0〜5歳の子どもにおいて年間80人程度発生するとされている網膜芽細胞腫の場合、5年生存率が95%以上、10年生存率は90%以上となっています。長期の予後は二次癌の発生によって低下します。
また、眼内悪性リンパ腫の5年生存率はおよそ60%とされていますが、生命予後に関わってくるのが中枢神経系リンパ腫(CNSリンパ腫)であるとされており、およそ60〜90%の症例で数年以内に発生するとされています。
さらに、結膜悪性黒色腫の場合、5年生存率が80%前後、10年生存率で70%とされています。
がん | 5年生存率 | 10年生存率 |
---|---|---|
網膜芽細胞腫 | 95%以上 | 90%以上 |
眼内悪性リンパ腫 | およそ60% | データが見つかりませんでした |
結膜悪性黒色腫 | 80%前後 | 70%前後 |
参照元:眼内悪性リンパ腫の診断と治療
https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.18888/ga.0000001207
参照元:結膜悪性黒色腫 の1例
https://www.jstage.jst.go.jp/article/skincancer1986/21/3/21_3_372/_pdf