この記事では喉頭がんの再発予防のための治療、術後の日常生活の工夫、再発や転移、病期ごとの生存率などについて詳しく解説していきます。
生活の質を向上させながら再発予防に取り組む方法についてもお伝えします。
喉頭がんの治療法は、早期の場合は内視鏡による部分切除や放射線治療が行われます。下咽頭がんの場合は喉頭に近いため、喉頭も含めて切除し、永久気管孔を設置する場合もあります。
術後の補助療法として、また手術が難しい場合は抗がん剤治療も行われることがあります。
放射線治療の副作用としては、照射した部位がただれたりカサカサになってかゆみをもつなど、皮膚の炎症や咽頭炎が起こることがあります。また、口の渇きがひどくなったり、味覚障害や食欲不振などもよく報告されている症状です。
抗がん剤の副作用としては、人によって症状が異なりますが、強い倦怠感や頭痛、発熱、食欲不振、吐き気、嘔吐や脱毛、手足のしびれ、白血球の減少などが報告されています。
使用する薬や組み合わせによっても、予想される副作用が異なります。担当医と気になる点についてしっかり話をして、納得してから治療にのぞむようにしましょう。
喉頭がんの場合、切除した範囲や部位によって注意点も異なってきます。
喉頭を全摘術した場合は、縫合した部分が細くなるため、大きな食べ物が詰まることがあります。以前にも増してよく噛んで食べるようにしましょう。
また、鎖骨の間に永久気管孔を作った場合は、口から息を吸ったり吐いたりが難しくなるため、熱いものを息を吹きかけて冷ますことができなくなります。くれぐれもやけどには注意してください。
術後しばらくは、食道の機能がまだ戻っていないため、食事をした後にすぐ横になるのは避けるようにしてください。
化学療法の影響で味覚障害や口内炎、吐き気が起こり食欲不振になる場合は、食事メニューの調整が必要です。
具体的には、人によって「濃い味が良い」「薄い味が良い」「においがあまりしないものが良い」など好む食事の傾向が異なるため、その時々で食べたいと思うものを選び、少しずつ食べていきましょう。
できれば栄養価が高い食事をすることが好ましいですが、無理をして食事をするのは逆効果です。脱水症状を起こさないよう、水分をこまめに補給しつつ、食事をしていきましょう。
化学療法中に好まれるメニューの例は以下のようになります。
担当医と相談の上、ウォーキングや散歩などの軽い運動から始めてみるのが良いでしょう。無理はせずに、少し余裕を持って続けていくのがポイントです。
永久気管孔を作った場合は、全力疾走や水泳が難しくなります。息が上がる激しいスポーツや水に関わる運動は控えましょう。
冬虫夏草とは、昆虫の体内に寄生し体内の養分を吸収することで、子実体(キノコ)を成長させるバッカク菌類のキノコです。チベットやネパールなどの高山帯に生息するオオコウモリガの幼虫に寄生しているものは、希少価値が高いことで知られています。
古くから生薬として重用されてきた歴史があり、近年では、中国の陸上選手の栄養管理に取り入れられたことで、世界的に注目されました。これまでも研究により、免疫機能改善作用や、抗がん作用が期待できる有用成分が発見されています。
天然物の冬虫夏草は大変希少です。現在商品化されているものは、多くが人工培養によるものですが、品質や有用成分に差異はありません。人工培養の技術が誕生したにも関わらず、まだまだ希少価値が高い冬虫夏草は、偽物や粗悪品の流通が問題となっています。そのため、購入する際には、安全性や品質管理がしっかりしている信頼できる製造元を選ぶことが大切です。
喉頭がんの手術や術後補助療法によって根治することが理想ですが、再発や転移などにより、ふたたび治療が必要となる場合もあります。以下、喉頭がんの再発・転移について見てみましょう。
喉頭がんは、治療後2年以内に局所再発もしくは転移再発することが多いです。中でも声門上がんは、リンパ節転移が起こりやすい傾向があります。
東北大学大学院の研究によると、下咽頭がんの患者74名のうち64名が根治治療(手術や放射線治療など)を受け、そのうち33名に再発が見られました。再発期間は治療後3~70か月後で、平均再発期間は14か月間です。
上咽頭がんと下咽頭がんは、リンパ節に転移しやすい傾向があります。リンパ節に転移すると、遠隔転移が起こることもありますが、その多くは肺への転移です。骨や他臓器への転移はあまり見られません。
局所再発の場合、以前に放射線治療を行っていない場合は、放射線治療が可能です。しかし、すでに放射線治療を行った範囲で再発した場合は、もう放射線治療はできないため、手術や薬物療法になります。
遠隔転移などで手術ができない場合は薬物療法になり、以下の療法が行われます。
薬物療法で効果が得られない場合には、免疫チェックポイント阻害薬のニボルマブが使用されることもあります。
喉頭がんの再発は、治療後2 年以内に発症する確率が高いと言われていますが、その後は再発頻度が減少していきます。
万が一再発した場合もできるだけ有効な治療や手術が受けられるよう、定期的に通院し治療方針を担当医と話し合うことが何よりも大切です。
喉頭がん(上咽頭がん、中咽頭がん、下喉頭がん)の5年生存率について見てみましょう。
がん | 上咽頭がん | 中咽頭がん | 下咽頭がん |
---|---|---|---|
Ⅰ期 | 90% | 83% | 90% |
Ⅱ期 | 60~80% | 79% | 80% |
Ⅲ期 | 60~80% | 73% | 70% |
Ⅳ期 | 40~50% | 69% | 50% |
参照元:がん研有明病院
https://www.jfcr.or.jp/hospital/cancer/type/headneck/pharynx.html