クリニック名 | 藤沼医院 |
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所在地 | 栃木県河内郡上三川町梁347 |
電話番号 | 0285-53-7105 |
※全国対応可能
肝臓がん再発予防のための治療法や副作用、免疫機能を高める日常生活のポイントなどをご紹介します。
肝臓にできるがんには、肝臓の細胞ががん化して悪性腫瘍となった「肝細胞がん」と、肝臓の中を通っている胆管ががん化した「肝内胆管がん(胆管細胞がん)」の2種類があります。この2つは治療方法が異なることから分けられていますが、一般的に肝臓がんというと「肝細胞がん」のことを指します。
また、肝臓のがんは肝臓そのものから発症した原発性のものと、他の臓器で発生したがんが肝臓に飛んでくることによって腫瘍を形成する転移性のものがあります。
肝臓はよく「沈黙の臓器」と呼ばれるように、初期のうちには自覚症状がほとんどないことが知られています。このことから、全く症状を感じていなかったとしても、定期的な健康診断や他の病気で検査を受けたときなどに、肝臓がんが発見されるといった事例も多くあるといわれています。
肝臓がんが進行した場合に何らかの症状がみられるケースが多く、腹部にしこりを感じたり、圧迫感や痛みがあると感じる人もいるようです。また、他の部位に転移している場合には、どこに転移するかによってどのように症状が出てくるかが異なります。
2018年1年間で肺がんと診断された方の数は、男女合計で38,312例となっています(男性26,163例、女性12,148例)。人口当たりの罹患率は人口10万人あたりの罹患率は30.3例(男性42.5例、女性18.7例)です。女性に比べて男性の方がおよそ2倍の罹患率となっています。
また、2019年の死亡数は25,264人(男性16,750人、女性8,514人)であり、人口10万人あたりの死亡率は20.4人(男性27.8例、女性13.4例)となっています。
参照元:がん情報サービス https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/8_liver.html
ステージ | 5年生存率 |
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ステージ1 | 57.3% |
ステージ2 | 38.7% |
ステージ3 | 15.5% |
ステージ4 | 4.0% |
参照元:がんメディカルサービス https://www.g-ms.co.jp/gan-zisyo/kanzou-gan/
ここでは、肝臓がんとはどのような病気なのか、また症状や罹患率、ステージ別の5年生存率などをまとめてきました。肝臓がんの場合にはステージ1で発見されたとしても5年生存率は他のがんよりも低いという傾向がありますが、やはり早期に発見して治療を行うことで生存率を高められるといえます。
ただし肝臓は沈黙の臓器といわれることからも、初期のうちに症状を自覚することは難しいとされています。このことからも、定期的な検診を受けること、検診結果で肝機能の異常などを指摘された場合にはしっかりと再検査を受けることなどが非常に重要なポイントとなってくるといえるでしょう。
C型肝炎ウイルスによる肝臓がんの場合にはインターフェロン療法、B型肝炎ウイルスによる肝臓がんの場合には核酸アナログ製剤による治療が有効であるという報告があります。
肝臓がん患者さんの予後は、がんそのものだけでなく、肝炎や肝硬変の有無によって左右されるため、これらの症状を管理することが、肝臓がんの再発予防や再発後の根治治療につながるとされています。
C型肝炎ウイルスによる肝がんを対象としたインターフェロン療法の副作用には、発熱・全身倦怠感・頭痛・関節痛・筋肉痛・食欲不振・かゆみ・消化器症状・精神症状・循環器症状・間質性肺炎・甲状腺機能異常・目の症状・糖尿病の悪化・脱毛などがあります。
B型肝炎ウイルスによる肝がんを対象とした核酸アナログ製剤療法の副作用には、鼻やのどの痛み・下痢・頭痛などがあります。
いずれの場合も、副作用の症状や程度には個人差があり、副作用がでても、症状を緩和させる薬を併用することもできます。
肝臓がんの初期治療は、経皮的に挿入した電極に高周波電流を通電してがんを壊死させるラジオ波焼灼療法(RFA)、カテーテルで抗がん剤と塞栓物質でがんを兵糧攻めにする塞栓療法、抗がん剤による化学療法、放射線治療などさまざまな治療法があります。
副作用は発熱、腹痛、吐き気、食欲不振、下痢など軽度のものから、肝機能障害や白血球の減少など重篤な副作用の可能性も考えられます。
今現在それら治療後の副作用とたたかっている最中の患者さんであれば、再発予防の治療でさらに副作用が加わることは、心身ともに負担が増えることとなります。副作用を軽減させるためにも、次の治療に取り組むためにも、少しずつ体力をつけて免疫機能を改善して、日常生活を徐々に取り戻していきましょう。
肝臓がんの方の食事は、栄養バランスのよい食事をおいしくたべることが第一です。消化の良いものをゆっくりと時間をかけて食べるようにしましょう。肝機能が低下しているため、飲酒は控えてください。
むくみや腹水がみられる場合には塩分を控え、それでも症状が悪化するようであれば、医療機関の受診をおすすめします。肝臓は症状が現れにくいので、日頃からの体調の変化に注意しながら、肝臓に優しい食事をこころがけましょう。
肝臓がんの塞栓療法や薬物療法による吐き気・食欲不振などの副作用が出ている方は、無理してまで食事内容にこだわる必要はありません。体力や免疫力の維持のため、まずは、経口補水液などで脱水を予防し、食べられる時に食べられるものを少しずつ摂取してみましょう。バランスや量を考えるのは、体調がもう少し落ち着いてからでも遅くありません。
また、逆にがんを取ったことで食欲が増している方の場合、急激な過食や飲酒は肝臓に負担をかけてしまいます。少しずつよく噛み、時間をかけて食べて、腹8分目の習慣を身につけましょう。
肝臓がんの手術を受けた後、1か月程度はゆっくりと過ごすことが基本です。体調が落ち着いてきたら、散歩やストレッチなどの軽い運動から始め、少しずつ運動量を増やしていきましょう。たくさん動けると思っても、急激な運動負荷は体に負担がかかるため、無理のない範囲で徐々にステップアップしていくことが大切です。
肝臓がんの治療後は傷口の痛みや肝機能の低下など、体調が安定しない方も少なくありません。その場合は、無理をせず、手足をさすったり、マッサージしたり、無理のない範囲で動かしたりするだけでも、筋力低下対策やリフレッシュにつながります。
また、日光浴したり、腹部を温めたりすることも、がん治療で低下した免疫機能の改善に役立つのでおすすめです。体調が落ち着いてから、少しずつ体を動かす機会を増やし、体力や免疫機能の向上を図りましょう。
国内のがん治療は外科手術・局所療法・薬物療法・放射線治療などがスタンダードとなっています。侵襲的で治療効果が現れやすい反面、体へのダメージや副作用の問題があります。
しかし、がん細胞は元々自分自身の細胞です。自分の心の持ち方や環境・生活習慣・食事内容ががんを発生させている原因であることは否定できません。ですからそれらを改めるとともに元々体に備わっている力(免疫力)を高めることが、体に必要以上のダメージを与えない予防と治療につながると考えられます。免疫力は様々な要因によってバランスが変化し、特に生活の質が深く関係しています。おいしく食事ができる、気持ちよく体を動かせる、日常生活がストレスなく送れるなど、質の高い生活をすることで、免疫機能が正常にはたらくようになります。
医院では、がんの代替療法のひとつとして、免疫機能改善効果が期待できる「冬虫夏草」を取り入れています。肝臓がんやその治療によって低下した免疫機能を改善する効果が期待できます。
冬虫夏草とは、昆虫の体内に寄生し、体内の養分を吸収することで子実体(キノコ)を成長させるバッカク菌類のキノコです。チベットやネパールなどの高山帯に生息するオオコウモリガの幼虫に寄生しているものは、希少価値が高いことで知られています。古くから生薬として重用されてきました。
その後の数々の研究により、免疫機能改善作用や、抗がん作用が期待できる有用成分が発見され、世界中の注目の的に。天然物の冬虫夏草は大変希少であるため、現在商品化されているものは、多くが人工培養によるものです。
人工培養ができるようになったとはいえ、まだまだ希少価値が高い冬虫夏草は、偽物や粗悪品の流通が問題となっています。そのため、購入する際には、安全性や品質管理がしっかりしている信頼できる製造元を選ぶことが大切です。
肝臓がんの手術を受けた場合でも、がんの状態によっては再発や転移が起こる場合があります。肝臓がんの再発率やその部位、再発後の治療や生活への影響などについてみてみましょう。
肝臓がんの再発率は、ほかのがんに比べて高く、手術後2年以内に70%程度の確率で再発するといわれています。しかし、再発の90%は手術で取り切れなかったがんの肝臓内再発であり、再手術やラジオ波焼灼などで治癒を目指した治療が行われることが多いようです。
参照元:がん研有明病院|原発性肝がんの手術と成績 https://www.jfcr.or.jp/hospital/cancer/type/liver_i/002.html#:~:text=肝細胞癌は再発,た治療を目指します。
肝細胞がんは、多くが肝臓内に再発します。また、肺・リンパ節・副腎・脳・骨などへの転移が起こる場合もあります。
肝臓以外で発生したがんが、肝臓に転移することも多く、転移性肝がんといわれています。この場合は、原発の部位に準じた治療が基本です。
肝切除や局所療法による治療後に再発した場合は、肝臓以外への転移の有無に応じて、手術・化学療法・放射線療法などから治療法を検討します。
肝移植後の再発や脈管侵襲陽性の場合は、肝切除・ラジオ波焼灼療法・塞栓療法・分子標的薬などを用いた治療を行います。
骨への転移がある場合には、分子標的薬や必要に応じて痛み緩和を目的とした放射線治療を選択します。
どのケースでも心身への負担は発生します。再発後の治療に耐えられる丈夫な体づくりのためにも、免疫力を整えておくと良いでしょう。
肝臓がんの手術後は、通常3か月ごとの血液検査やCT・超音波検査が必要です。また、日頃から体調の変化を把握しておくことが大切で、急激な体重増加や手足のむくみが生じた場合は、すぐに医療機関に連絡する必要があります。また、食べ過ぎやアルコール摂取に注意することも大切です。