このページでは、大腸がんの治療後、再発を予防するための治療や術後の日常生活の工夫や再発や移転、ステージごとの生存率などについて解説しています。
大腸がんの場合、術後補助療法として化学療法が用いられることがあります。術後の補助化学療法が推奨されているのは、ステージⅢの患者です。これは、再発の可能性が高いと考えられているため。ステージⅡでも再発の可能性が高いと考えられる場合には、術後補助化学療法を用いるほうが良い、というのが現在の一般的な考え方となっています。
この場合、1種類の抗がん剤を使う方法と、2種類の抗がん剤により治療を行う場合があります。作用の異なる抗がん剤を組み合わせると副作用が強くなるものの、高い効果が期待できると考えられています。十分な再発の予防効果を得るため、通常は6ヶ月間の治療が推奨されていますが、症状などによっては3ヶ月の治療となる場合もあり、主治医とよく相談して治療方針を検討することが重要です。
抗がん剤を用いて治療を行う際には、副作用が現れることがあります。抗がん剤はがん細胞のみならず、正常な細胞にも影響を及ぼすため、さまざまな不調を招く可能性があるのです。
例えば吐き気や嘔吐、末梢神経の痺れ、口内炎や皮膚障害、下痢、便秘、疲労感、倦怠感などが見られることもありますが、実際に現れる副作用や頻度には人それぞれ。もし副作用を強く感じるようであれば、なんらかの対処が必要となってきます。
副作用が見られる場合には、薬の量を減らす、一次的に治療を休むといった対応を選択しますが、患者自身でできる対処法としては、日頃のセルフケアが挙げられます。
直腸がんを治療した後、心配になるのは再発のリスクでしょう。ここでは、治療後の再発を防ぐために、日常生活でできる工夫についてご紹介していきます。
手術を行った場合には、手術の直後は水分や消化の良い物を使った食事を心がけましょう。その後、およそ5日かけて徐々に通常の食事に戻していきます。
手術直後には、食物繊維が多いもの、消化しにくいものは避けると良いでしょう。手術から1ヶ月経過したら、食生活はいつも通りで問題ありません。また、人工肛門(ストーマ)になったとしても、食事に制限は設けらないので、徐々に普通の食事に戻していくことが可能です。
治療中や治療後には、体調不良や治療の副作用などにより食事が難しいと感じられる場合もあるでしょう。もし、思うように食べられない状況になった場合は、1日3食というこだわりはいったん忘れることも必要です。食事がなかなかできない分を補うために、間食を取り入れて食事回数を増やすのも有効な手段です。
また、「食べられるときに、食べられる量を食べる」ということを意識することも大切と言えるでしょう。まずは体調に合わせた食事を心がけ、無理なく食べられる量を食べるようにしましょう。栄養補助食品などを利用する方法もあるので、担当医師や看護師と相談しながら食事方法を決めていくことをおすすめします。
どのような治療を行ったかによって、どのタイミングで普通の生活に戻れるかは異なります。例えば内視鏡による治療を行った場合には、治療から1週間程度経過すると日常生活に戻ることができるでしょう。
開腹手術を行った場合には、手術から1ヶ月ほどと考えられています。まずは軽い運動(ウォーキングやストレッチなど)からスタートし、徐々に体力をつけて行くのがおすすめです。ただし、腹筋を使うことになる激しい運動については、手術から数ヶ月の間は控えなくてはなりません。
治療の副作用が辛い、手術後にどうしても動けない、といった状況で思ったように運動ができないケースもあるでしょう。やはり体力の回復にも個人個人で差があるため、自分の体力・体調に合わせることが大切。無理のない範囲で徐々に行動範囲を広げながら、体力を元に戻していくのがおすすめです。
冬虫夏草とは、昆虫の体内に寄生し体内の養分を吸収することで、子実体(キノコ)を成長させるバッカク菌類のキノコです。チベットやネパールなどの高山帯に生息するオオコウモリガの幼虫に寄生しているものは、希少価値が高いことで知られています。
古くから生薬として重用されてきた歴史があり、近年では、中国の陸上選手の栄養管理に取り入れられたことで、世界的に注目されました。これまでも研究により、免疫機能改善作用や、抗がん作用が期待できる有用成分が発見されています。
天然物の冬虫夏草は大変希少です。現在商品化されているものは、多くが人工培養によるものですが、品質や有用成分に差異はありません。人工培養の技術が誕生したにも関わらず、まだまだ希少価値が高い冬虫夏草は、偽物や粗悪品の流通が問題となっています。そのため、購入する際には、安全性や品質管理がしっかりしている信頼できる製造元を選ぶことが大切です。
直腸がんを経験した患者さんにとっては、治療後にどのくらいの割合で再発する可能性があるのかが気になるでしょう。そこで、ここでは直腸がんの再発率や、その特徴などについてご紹介します。
もともとのがんが進行しているほど、再発率は高くなります。
粘膜内にできたがんの場合は、がんを完全に切除すると再発は起こらないと考えられていますが、固有筋層まで広がっているがんの再発率はおよそ7%、II期では約15%、III期は約30%の再発率となっています。
直腸がんの治療後、再発や転移がしやすい部位というものもわかってきています。がんの再発が起こりやすいとされている部位は、もともとがんがあったところの周辺のほか、肝臓や肺、腹膜、リンパ節などが挙げられています。また、吻合部(つないだところ)に発生することもあります。
がんが再発した部位によって治療法は異なります。
放射線療法と化学療法の併用を行った上で再発部位の切除を行ったり(併用なしで切除を行う場合もあります)、症状を軽減してQOLを改善するための緩和療法として、切除や胎盤内容物切除、放射線療法、化学療法などを行ったりします。また、がんが増殖するのをコントロールするための化学療法や、腫瘍ができていることから部分的に閉塞がある場合には、症状を楽にすることでQOLを改善するための緩和療法として、ステントの設置を行う場合もあります。
さまざまな治療方法の中から患者の状態に合ったものが選択されることになりますが、主治医としっかりと相談した上で、どのような治療で進めていくのかを一緒に考えていくことが重要です。
日常生活の中でどんなことに注意すべきか、主治医と相談した上で、自分の体調を見ながら慎重に過ごしていくことが大切です。
再発後には化学療法などを行うこともあります。治療の副作用などで、通常の日常生活を送ることが厳しくなることもあるかもしれません。さらに、再発によって腸閉塞になった場合には人工肛門(ストーマ)を作ることもあるので、その場合には外出に備えてオストメイト対応トイレがある施設をあらかじめ探しておくことなどが必要となるでしょう。
ここでは、大腸がんの5年生存率についてご紹介します。直腸がんと結腸がんを比較すると、直腸がんの方が各ステージで5〜10%低い傾向があります。
ステージ | 生存率 |
---|---|
0期 | 94.0% |
Ⅰ期 | 91.6% |
Ⅱ期 | 84.8% |
Ⅲ期 | 77.7~60.0% |
Ⅳ期 | 18.8% |