口腔がんの一種である「舌がん」。
下の裏側などの見えにくい場所にできることもある舌がんについて、再発予防のための治療や術後補助療法による副作用、再発についてのさまざまな情報などをまとめました。
舌がんの治療は手術療法が基本となっていますが、一時的にがん細胞が小さくなったとしても再び元に戻ってしまうケースでは抗がん剤や放射線治療による術後補助療法を適用するケースもあります。
進行した症例で再発リスクの高い患者に対して放射線と化学療法剤の組み合わせを行った結果、再発率が下がり予防改善に繋がるとする報告もありますが、副作用が強いという問題があります。
放射線治療による副作用としてはのどの痛みや味覚障害、唾液の出にくさなどがあります。また、口腔環境が悪くなるため虫歯ができやすくなることもあるため、口腔内を清潔に保つ必要があります。
化学療法については薬の種類によっても異なりますが、主に吐き気や腎臓機能の低下、骨髄機能の低下、口内炎などの副作用が見られます。
舌がんが再発するケースの8~9割は2年以内に再発すると言われています。
そのため治療後2年間はなるべく間を開けずに経過観察を行い、特に最初の1年間は少なくとも1か月に1回は診察をして慎重にフォローアップする必要があります。
1年を経過して経過が良好であっても少なくとも2か月に1回、2年経過後は3か月に1回など定期的にフォローアップを行います。
また、お酒やタバコといった舌がんを再発させるリスクがあるものは断ち、口腔内を清潔に保つことを心がけましょう。
体力を維持するため、また感染などを防ぐためにはエネルギーやたんぱく質、ビタミン、ミネラルといった栄養分が不足しないような食事を摂ることは大切です。基本的にはバランスのよい食事をゆっくりと摂るようにしましょう。
しかし思うように食事ができない方は「頑張って食べよう」と思うあまり食事を辛く感じてしまうこともあるでしょう。
疾患を患うとストレスや治療の副作用などにより食欲が低下するのは普通です。
そのような場合には無理をせず、医師から特別な指示がない場合には身体の調子に合わせて食べられるものから食べるようにすることが大切になります。
口腔がんの術後には手術部位や範囲に応じて機能障害を生じることがあります。
話す・食べる・飲み込むといった生活に必要な機能が低下してしまう恐れがあるため、術後には一定のリハビリを行う必要があります。
具体的には舌骨上筋を訓練する「嚥下おでこ体操」や寝て頭を上げる「シャキア運動」が行われます。
また、ペットボトルなどに水を入れてストローで吹く「ブローイング」や舌の運動訓練なども重要になってきます。
口腔がんの手術によって起こる機能障害は術前にある程度予測できるため、担当医や看護師が早期から連携することでリハビリテーションの効果を高めることが可能です。
ただし、機能障害を起こす部分は会話や食事といった日常に必要不可欠なものばかりであるため、これらの運動がうまくできない状況が続いてしまうと患者にとってもストレスとなってしまうでしょう。
術後のリハビリや回復は患者一人の努力だけではなかなか効果が得られません。そのため担当医やリハビリ担当医、看護師などにも相談をしながらワンチームで進めていくようにしましょう。
冬虫夏草とは、昆虫の体内に寄生し体内の養分を吸収することで、子実体(キノコ)を成長させるバッカク菌類のキノコです。チベットやネパールなどの高山帯に生息するオオコウモリガの幼虫に寄生しているものは、希少価値が高いことで知られています。
古くから生薬として重用されてきた歴史があり、近年では、中国の陸上選手の栄養管理に取り入れられたことで、世界的に注目されました。これまでも研究により、免疫機能改善作用や、抗がん作用が期待できる有用成分が発見されています。
天然物の冬虫夏草は大変希少です。現在商品化されているものは、多くが人工培養によるものですが、品質や有用成分に差異はありません。人工培養の技術が誕生したにも関わらず、まだまだ希少価値が高い冬虫夏草は、偽物や粗悪品の流通が問題となっています。そのため、購入する際には、安全性や品質管理がしっかりしている信頼できる製造元を選ぶことが大切です。
舌がんは再発することもあり、治療後2年以内に起こるケースが多いと言われています。
そのため治療後2年間は再発防止を意識した規則正しい日常生活を送ることはもちろん、定期的・継続的に受診をする必要があります。
舌がんの原発巣からの再発率は11~24%といわれており、4~10人に1人は再発するという計算になります。この再発率に差がみられる原因としては原発巣の発生部位や治療法の違いによると考えられています。
再発の有無を確認するために、治療終了後には一定期間の経過観察が必要となり、他部位への転医なども考慮すると10年間は経過観察をすることが望ましいとされています。
情報引用元:がん治療.com(https://www.ganchiryo.com/type/index02.php#i-13)
舌がんのT1、T2では内向型が20%、表在型が12.4%、外向型が8.8%となっており表在型や外向型に比べて内向型は原発巣での再発率が高くなっています。
また、一次転移率は表在型で4.9%、外向型で12.6%、内向型で24.9%と内向型は表在型や外向型に比べて頸部リンパ節転移する確率が高いということも分かっています。
さらに病理組織学的な舌がん原発巣の主要の厚みは頸部リンパ節転移と関連することが報告されており、主要の厚みが4~5mm以上であれば頸部リンパ節への転移傾向が強いとされています。
つまり口腔がんが移転しやすい部位としては首やその他のリンパ節をはじめ、肺や骨へなどが挙げられます。
がんの再発は、手術痕や温存した口腔内から再びがんが発生してくる局所再発と口腔内から離れた場所に発生する遠隔転移に大別されます。
局所再発の場合には再発した部位を確認し、基本的には外科的切除を行うこととなります。また、頸部リンパ節に転移が認められた場合には頸部郭清術を行い、転移リンパ節を含めたその周囲のリンパ節を周りの組織とともに取り除く外科的手術を行うことになります。
また肺や消化器、骨などに転移が認められる場合には、各専門の担当医と連携を行いながら治療方針を決定することになるでしょう。
さらに口腔がん末期患者の場合には出血や気道閉塞などといった特有の苦痛を伴うことがあります。
中でも生活の質に直結する痛みも多くなるため、モルヒネなどを使用して痛みを和らげる治療を行うと共に、患者への精神的ケアや家族毛の精神的援助が大きな課題となります。
舌がんが再発した場合には、医師の指示により定期的な通院・検査を受けるようにしましょう。
もちろん必要に応じて手術を伴う治療を受けることもあるでしょう。
治療により状態がよくなったとしても経過観察は重要なため、他部位への転移がないかどうかも含め定期的に通院するようにしましょう。
また、お酒やたばこといった再発や悪化を誘引するような行動は避けつつ、口腔内を常に清潔に保つ生活を心がけましょう。
さらに、家族にもチェックをしてもらいながら経過観察を行い、万が一経過観察中に気になる部分が見つかるようであれば、速やかに主治医へ報告し指示を仰ぐようにしましょう。
がんの治療成績を示す指標の一つとして生存率があります。
以下は国立がんセンター協議会が好評している院内がん登録から算出された5年相対生存率のデータです。
このデータはおよそ10年前のがん診断・治療に基づくものであり、現在では診断や治療技術の進歩により治療成績は向上しているものと考えられます。
【舌がんの病期別5年相対生存率(対象:2007~2009年に診断を受けた患者)】
病期 | 症例数(件数) | 5年相対生存率 |
---|---|---|
Ⅰ | 315 | 94.7 |
Ⅱ | 363 | 80.4 |
Ⅲ | 204 | 61.4 |
Ⅳ | 399 | 49.3 |
全症例 | 1,317 | 71.8 |
引用元:がん情報サービス(https://ganjoho.jp/public/cancer/tongue/patients.html)