疲れた時やほっと一息つきたいときに摂りたくなるのが糖分の入った甘いお菓子や飲み物。
糖分は体にとって必要なエネルギーの1つではありますが、がん予防においてはどうなのでしょうか。
そこで、がん予防の観点で糖分について解説します。
がん予防に関するさまざまな研究において、「高濃度の糖分の多い食品を定期的に摂取すること」は、がんを引き起こしてしまう可能性や、体の中のがん細胞のエサになってしまうという可能性が示されています。
また、糖分の多い食事は一部のがん治療の効果も低減させてしまう可能性も指摘されていることから、糖分摂取は必要最低限とし、糖分の多い食品や飲み物の摂取は控えるべきと言えるでしょう。
WHOの発表では、糖分はたばこや塩分に続いて制限の対象となっているため、がん予防に限らず「糖分のとりすぎ」は体への悪影響となるのです。
参照元:addon.life|高糖摂取は癌を引き起こしますか?(https://addon.life/ja/2021/07/13/sugar-cancer/)
参照元:リーレクリニック大手町|砂糖と発がん性について(https://www.lireclinic.com/column/2066/)
糖分の大量摂取はがんのリスクを増加するということはわかりましたが、具体的にはどのような研究からわかったことなのでしょうか。
2019年、フランスのコホート研究では、アンケートを集計したデータから、砂糖の入った飲みものや100%のフルーツジュースといった甘い飲み物を飲んだ場合と、人工的に甘みをつけた飲み物を飲んだ場合とで、がんとの関係性を調査しました。
この結果、甘い飲み物をたくさん飲む人は、甘い飲み物を飲まない人やほとんど飲まない人と比べて、18%もがんの発症確率が高いというデータが示されました。
さらに、乳がんにおいては22%も高いという結果が出ています。
さらに同様の調査を行い、10年間のフォローアップを行った結果、糖分の多い飲み物を定期的に摂取している人の場合は、閉経後の女性の乳がん発生率が高くなるということがわかっています。
参照元:addon.life|高糖摂取は癌を引き起こしますか?(https://addon.life/ja/2021/07/13/sugar-cancer/)
糖分の多く入った飲み物はがんのリスクを上げてしまいますが、砂糖と同じ用に甘味を感じる「人工甘味料」の場合はどうなのでしょうか。
糖分の入った飲み物と比べて、人工甘味料を使用した飲み物を摂取した人は、がんのリスクとは関連していないという結果がでました。
一部では「人工甘味料はがんのリスクが上がるのでは?」という心配する声もありましたが、今回の調査では人工甘味料とがんのリスクには関連性がなかったということがわかったので、必要最低限の糖分摂取にプラスして甘いものを摂りたい場合は、人工甘味料という選択肢がおすすめです。
参照元:リーレクリニック大手町|砂糖と発がん性について(https://www.lireclinic.com/column/2066/)
砂糖に含まれる糖分はがんのリスクをあげる可能性があるということがわかりましたが、糖分と同じくらい「炭水化物」の摂取にも注意しなくてはなりません。
精製して作られる白い「上白糖」は、100gあたりの炭水化物の量が99.2gなので、上白糖のほぼ100%が糖質といえます。
砂糖自体は1日に大量に摂るものではありませんが、ご飯やうどんなどから炭水化物を摂取しますので、炭水化物の取りすぎにも注意しなくてはなりません。
上白糖に比べて、精製されていない黒糖については炭水化物の量が89.7%で、ビタミン類やミネラルも含まれていることから、黒糖のほうが栄養価が高いという意見もあります。
しかし、100g単位の世界なので、黒糖に含まれる少量のビタミン・ミネラルよりも野菜や果物から摂ったほうが効率的と言えます。 上白糖・黒糖どちらを使うにしても、糖分の量、炭水化物の量に気をつけながら摂取することが大切です。
参照元:メディ在宅クリニック|砂糖について (https://meddy-clinic.jp/kanwacare-new/satou/)
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