このページでは、食材としての冬虫夏草について紹介します。どのような味や匂いがあるのか、またどのように食べられているのかといった点についてまとめているので、取り入れたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
冬虫夏草をこれから取り入れたいと思っている方の場合、「どのような味がするのか?」「どのような匂いがするのか?」という点は非常に気になるポイントでしょう。
漢方薬に使用されているキノコ、というと独特の匂いや苦味を想像する方もいるかもしれませんが、冬虫夏草には匂いや味がほとんどありません。調理をしてしまうと、そのほかの食材や調味料の味にかき消されてしまう程です。また、食感については長い時間煮込んだとしても食感が良くなるといったこともありません。
以上のことから、冬虫夏草は特に味や匂い、食感を楽しむものではない、といった意見が大半のようです。
では、冬虫夏草はどのように食べられているのでしょうか。ここでは、代表的な食べ方や取り入れ方についてまとめました。
冬虫夏草は中国で長い間大切に用いられてきた食材ということから、中華料理に用いられるケースがあります。
例えば、四川料理の「虫草鴨子(チョンツァオヤーズ)」が冬虫夏草を用いた料理として知られていますが、これはお湯で戻した冬虫夏草をアヒルのお腹に詰め、ネギや生姜、紹興酒で煮込んだ料理です。そのほかにも、冬虫夏草を雄牛の生殖器やスッポンとともに煮込んだ料理なども知られています。
このように、中国ではさまざまな薬膳料理に冬虫夏草が使われています。
韓国料理では、かつて宮廷料理として食べられていた「八卦湯(パルガタン)」に冬虫夏草が用いられます。この料理は、冬虫夏草とともに亀やネギ、生姜などと一緒に煮込んだスープを指すようですが、残念ながらあまり詳しい情報は見当たりません。
冬虫夏草にはほとんど味や匂いがないことから、お酒に漬け込んだものが出回ることもあります。焼酎や日本酒、ウイスキーなどさまざまなお酒と組み合わせることができるため、冬虫夏草を漬け込んだお酒が販売されていたこともあります。
ただし、あまり流通量が多くはないことから購入するのは難しいかもしれません。そのようなときには、自分で漬け込んでみるという手もあります。この場合に用意するお酒は、防腐性などを考えてアルコール度数30度以上のものを選びましょう。
冬虫夏草は、漢方薬の生薬として用いられてきた食材です。鎮痛剤や免疫増強、疲労回復などさまざまな効能が期待できるとされています。
冬虫夏草を飲むときには、細かくしたものをお湯で煎じて飲むのが一般的です。もし粉末状のものがあれば、お湯に混ぜで飲むという方法もあります。
冬虫夏草は上記の通り食材として用いられていますが、下記のような特徴を持っています。
冬虫夏草は、味や匂いがほとんどないため、クセがない食材としてさまざまな料理に使うことができます。冬虫夏草を使った料理はあまりありませんが、レシピにこだわらずにスープに入れたり、炒め物にしたり、いつも飲んでいるあたたかい飲み物に混ぜるといった取り入れ方もあるでしょう。特に粉末状の冬虫夏草であれば、気軽に普段の食事に取り入れることができるはずです。
冬虫夏草は、もともと希少な食材であったことに加えて、急激な人気の高まりから価格が高騰しています。現在では天然の冬虫夏草を手に入れることが難しくなり、偽物や粗悪品も出回っています。
このことから、冬虫夏草を取り入れたいと考える際には注意が必要といえるでしょう。例えば、製造過程をしっかりと確認できるものを選んだり、国産の冬虫夏草を選ぶといった手もあります。いずれにしても購入する場合には、その冬虫夏草が信頼できるものなのかをしっかりと確認することが大切です。