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放射線療法

がんの再発予防治療のひとつに、放射線療法があります。ここでは、放射線療法について、治療期間や副作用、化学療法との併用などをまとめました。

尚、この記事は、以下のサイトを参照してまとめています。

参照元:GCLTEC|再発予防の選択肢 (https://www.lymphotec.co.jp/relapse/yobou/)

参照元:東京女子医科大学放射線腫瘍学講座|乳がんの放射線治療 (http://twmu-rad.info/treatment.html?id=4#:~:text=%E6%89%8B%E8%A1%93%E5%BE%8C%E3%81%AE%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A%E7%99%82%E6%B3%95,%E3%82%92%E6%A0%B9%E7%B5%B6%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82 https://www.cick.jp/houshasenchiryou/nyugan/)

参照元:がん情報サービス|放射線治療の実際 (https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/radiotherapy/rt_02.html)

放射線療法とは

放射線療法とは、放射線を照射して、がん細胞を死滅させる治療です。

放射線を照射すると、細胞内のDNAがダメージを受けます。正常な細胞もがん細胞もダメージを受けますが、正常な細胞は数時間で自力回復が可能です。一方、がん細胞は、正常な細胞と比べると回復が遅い。この回復力の違いを利用します。がん細胞が回復する前に放射線の照射を繰り返して、がん細胞の死滅を目指すのが放射線療法です。

術後に放射線療法を行う目的

放射線療法を手術後におこなうことがあります。術後放射線療法は、手術で取り切れなかったがんを死滅させるのが目的です。

手術では、目に見えるがんを取り除きます。しかし、目に見えない微小ながん細胞が残っている可能性があるケースも少なくありません。目に見えないがん細胞が残っている場合、これが再発の原因となります。そこで、がん細胞が残っている可能性が高いところを放射線で照射して、再発を予防するのです。

放射線療法が適応となるケース

放射線療法は、脳腫瘍、頭頸部がん、食道がん、肺がん、乳がん、前立腺がん、子宮頸がんなど、ほとんどのがんに適応します。

しかし、再発予防を目的とした術後放射線療法は、乳がんに用いられることが多いです。温存した乳房やリンパ節からの再発を防ぐ目的があります。乳房温存術後では、術後に放射線を照射しない場合の乳房内再発は、約30%です。しかし、温存乳房に放射線を照射すれば、乳房内の再発が70%減ることが臨床結果で分かっています。そして、乳房内再発を防げると、生存率も向上させられることから、乳がんの乳房温存術において放射線療法は重要だといえそうです。

放射線療法の治療期間

放射線療法の治療期間は、通常5~6週間です。1ヶ月半ほどかかる治療は患者にとっても負担ということで、ヨーロッパを中心に1990年代から照射期間の短縮に関する臨床試験がおこなわれていました。その結果、1ヶ月ほどで終わる短期照射でも効果に差がないことが分かり、現在は、短期照射がおこなわれることもあります。

逆に、再発の可能性がある場所だけではなく、がんがあった場所に追加照射することで、より再発を防ぐ効果が高まることも分かりました。状況によっては、追加で局所照射がおこなわれることもあります。その分、治療期間は延びるでしょう。

放射線療法の治療開始は、手術の傷が治ってすぐ。術後期間を開けないことが大切です。ただし、抗がん剤との併用治療をする場合は、投薬が優先されることがあります。この場合は、投薬治療終了後に放射線治療を開始します。

大切なのは、治療開始前にスケジュールを確認して治療をやり遂げることです。

放射線療法の副作用

疲労感やだるさ、食欲不振、貧血

副作用として多いのは、疲労感やだるさです。食欲不振や貧血を起こしやすくなる可能性もあります。こうした症状は、放射線治療の影響だけではなく、通院による疲労や病気になったことへの精神的ストレスが影響しているかもしれません。

感染や出血しやすくなる

放射線を照射することで、一時的に白血球や赤血球、血小板が減少します。白血球は細菌とたたかう、赤血球は酸素を運ぶ、血小板は出血を防ぐというのがそれぞれの役目です。これらが減ると、感染しやすくなったり、出血しやすくなったりします。先ほど紹介した副作用の「貧血を起こしやすくなる」も、白血球・赤血球・血小板の減少とも関係があるでしょう。

照射された部位の皮膚の変化

照射された部位の皮膚が一時的に変化するのも可能性がある副作用のひとつです。皮膚の乾燥やかゆみ、ヒリヒリ感、熱感、色調の変化などが考えられます。

皮膚の副作用は、照射終了後2週間から1カ月程度で治療前の状態に戻るのが一般的です。

汗腺や脂腺は、機能回復に時間がかかります。そのため、汗をかきにくい症状が残ること可能性もあります。乾燥が原因のかゆみもしばらく続く可能性があります。

二次がんの発生

放射線はがんを予防する効果だけではなく、がんを発生させることもあるのが悩ましい現実です。がんを予防したいのに、別のがんを作ってしまう可能性は否定できません。予防とリスクを比較して、放射線照射のメリットが上回るか考慮する必要があります。

不妊

放射線を生殖器に照射する場合は、男女ともに考慮しなければいけないのは、不妊の可能性です。不妊リスクは、線量にもよります。将来、子どもを持ちたい場合は、医師とよく相談して決めましょう。

化学療法を併用するケース(化学放射線療法)もある

放射線療法は、まれに化学療法と併用することがあります。

ただし、併用したケースにおいて、副作用に問題はなく安全におこなえたとする報告もありますが、重大な副作用がみられたという報告も上がっているのが実情です。現時点では、化学療法との併用は簡単に取り入れられるものではなく、観察が行き届く臨床研究においてのみおこなわれるべきだと考えられています。放射線療法と化学療法の両方をおこなう場合は、どちらが先かは決まっていません。効果の高さを調べた研究では、どちらを先におこなっても、局所再発、遠隔転移、死亡率に差がないと報告されています。

しかし、局所再発より遠隔転移の方が重大なため、遠隔転移を予防するために数ヶ月間化学療法をおこなってから、局所再発予防の放射線療法をおこなうのが一般的です。

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